とても真面目そうな律儀な口調で電話を
かけてこられたのは、40歳の独身男性の方です。
男性には、お付き合いをされている30代の女性が
いらっしゃるとの事です。
女性とは5年のお付き合いで、そろそろ女性の方が
結婚を意識されているらしく、男性側の親族の方に
会いたいと言って来たそうです。
男性はと言うと、結婚を躊躇しているのか、
はたまた値踏みをしているかと言う状況だと
言う事です。
そんな事で、まだ心が決まっていない状態で親族に
会わせる事も出来ず、親族に成り代わっての演技代行
をお願いしたいとの事です。
実のお母様とまずは食事がてら合わせると言う設定です。
地下の便利屋の熟年女性スタッフを派遣し、男性は事なき
を得る事が出来ました。
ですがそれは、延命措置にしかならない事でしょう。
この男性が、冷静な男性だとすると先の事を考えて
実際に本当のご両親に会う事も想像出来る筈です。
となると、この女性とは結婚の意思が無いと見えます。
またこの男性が、彼女に好き嫌いを告げる事が出来ない
男性だとすると、少しばかりの延命措置となってしまいます。
はたまた、この男性が好きなのに返事が出来ない男性
だとすると、いずれ問題になる行動になってしまいます。
慎重と臆病とは、紙一重だと思います。
慎重すぎて石橋を叩き過ぎるとヒビが入ってしまい
いずれ壊れてしまう事でしょう。
何事も『過ぎたるは猶及ばざるが如し』なのですから。